トップページ
コンテンツ
イメージ

第27回全日本花卉装飾技術選抜選手権大会・持込作品コンテスト開催

5地区12組合より14名が参加

京花協 木村一久氏、農林水産大臣賞(第2位)を獲得

 去る3月2日(木)、京都市花き地方卸売市場にて(社)日本生花商協会主催による選手権大会と持込コンテストが開催された。昨年に引き続き2回目の会場となった市場では、前日より見本市が催され、業者おすすめの目玉商品や季節商品、(株)ノムラ主催のラッピングやプリザーブドフラワー講座が人気を集めていた。
 今選手権は、今年が設立50周年にあたる日花協にとって記念すべきイベントとして、その組織力がおおいに発揮された。全国より所属の5地区・12組合から14名の選手が参加し、大会を大きく盛り上げたのである。
 参加する選手と、京花協を始めとする開催関連各者の負担を軽減するため、従来の自由花部門をなくし、10分の休憩時間を含む2時間に、ブライダルブーケ・ウェディングメインテーブル・ウィンドウディスプレイの3課題をこなすサプライズ形式とした。
 競技は午後1時30分に始まり、まずはお色直しのカラードレスを前提としたブーケ制作とメインテーブルづくりの2課題が70分内でのワンセット。10分の休憩をはさんでの第3課題、ディスプレイ制作に与えられた時間は40分。コンテスト等への参加は今大会が初めてという数名の選手たちは、「何からはじめればいいのか、緊張してわからなかった」とサプライズ形式の難しさを口にしつつ、「競技に参加するだけで自信がついた」「ほかの人のテクが間近に見られるので勉強になる」「遠方の同業者と仲よくなれた」とコンテスト参加の良さについても語ってくれた。
 栄えある第1位、内閣総理大臣賞に輝いたのは東北代表・大泉拓也氏。名前の発表に、場内からは大きな歓声が湧いた。京花協からはお馴染み・木村一久氏が参加、見事に農林水産大臣賞(第2位)を獲得した。

第27回全日本花卉装飾技術選抜選手権大会・持込作品コンテスト開催

 選手権大会と併催された持込コンテストには、4地区5組合の31名が出品。内藤審査委員長も「レベルが高い」と絶賛する出来栄の中、花材と花瓶の持ち味を繊細に調和させた伊藤篤氏(長野)の作品が昨年に引き続き厚生労働大臣賞を獲得した。
 最近、マット調の黒い器でのアレンジに凝っているという伊藤氏。受賞作もご覧の通り黒い花器自体を地中の根と捉えた繊細で奥行きのある表現だ。「器の黒に負けないように活けるのが難しい」とご本人は謙遜するが、理想に向かって何度も活け直すその積み重ねが連続優勝に繋がった。
 早くも次回の大会では、所属組合より選抜選手権への出場が決定しているそうだ。彼の手によるサプライズ作品や、空間を占めるディスプレイ作品に期待したい。