トップページ
コンテンツ
イメージ

いま、青年部がおもしろい!-その1「茶道」編

みんなで「ほんまもん」を楽しもう!

 10月の青年連絡会京都研修会を控え、何かと忙しい今年の青年部。研修会のテーマは“京都発「ほんまもん」体験“。青年に限らず、私たち京都の花屋にとって大変に興味深い、次の概要文をご紹介しよう。
 「花き業界にもさまざまな業者が参入しています。消費者側も商品の品質には敏感で、大変目も肥えています。本物はすぐわかります。私たちは花屋としての責任感や向上心を持ち続けるためにも、なにが『ほんまもん』かということを身をもって知らなければなりません。京都には、永い歴史の中で培われた『ほんまもん』の文化や技術が息づいています。今回、京都でしか味わえない『ほんまもん』を実体験してもらい、商売はもちろん実生活にも生かしていただきたいと思います。」一泊二日の日程には「ほんまもん体験」として池坊でのいけばな教室や大徳寺での茶道体験、京料理や精進料理の食事会、さらに京都ならではの花街プランも盛り込まれている。研修会を視野に入れて開催されたた二つの体験学習会の模様をお伝えしよう。
〜茶 道 体 験〜
 それはこの冬一番の積雪を見た2月13日のこと、「茶道体験と意見交換会」が北区・大徳寺ほかで開催された。震える寒さの中、京花協青年部員と三重・名古屋の青年部代表者の併せて11名が集合。境内塔中の一つ、瑞峯院の門をくぐる。ここは天文4年(1535)にキリシタン大名・大友宗麟が菩提寺として創建したお寺。表門と本堂(方丈)は創建当時のもので、室町時代の禅宗方丈建築の遺構をとどめる貴重さから重要文化財に指定されている。一同はご住職の案内で方丈へ。茶道体験の前に「座禅体験」が用意されていた。本堂の障子一枚向こうに雪が舞う。もちろん火の気などない室内は、まるでキーパー並の低温庫。「ほんまに値打のある座禅になりました」とご住職。「普段、わたしたちの生活の中に、『肚を据えて座る』という時間がどれだけあるでしょうか。今日は一つ、何も考えないで姿勢を正し、肚を据えて座って、自分の息を数えてみてください。」厘を合図に、ただ座る。骨までしみ込むような寒さの中、深く吸い込み、吐き出す自分の息を数えるだけ。頭の中は雑念で蠢いてばかり。数え始めて100に至っただろうか、厘の響きが終わりを告げた。ほーっ。
 続いて一同は茶室へ。炉には炭火がいこり、暖かさと畳の柔らかさにホッとする。徐々に体温を取り戻していく体に、目にもおいしいお菓子をいただき、自然と笑みが浮かぶ。食べ終わる頃を見計らって出されるお抹茶は、最高のおもてなしだ。静かに、姿勢よくお茶をたてて下さる亭主の無駄のない所作がとても美しく、一人ずつに違うお茶碗で出される心配りがまたうれしい。 参加者の中には、座禅も茶道も初めて体験するメンバーも。やはり見ると聞くとは大違い、体で知ることの素晴らしさが実感できた。
 「一日一回はじっくり座る時間を大切にして下さい」というメッセージとともに、ご住職から大変興味深い一つの問いかけをいただいた。仏前や神前に御供えした花は、神様や仏様に手向けられたはずなのになぜ人間の方に向けられているのだろうか、と。普段、考えもなく御供えしてきただけに、改めて尋ねられると確かに答えに困ってしまう。
 さて、あなたならどう説明しますか?