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 9月27日(土)、午後7時より池坊短期大学2階・美心館にて生け花講習会が開催されました。
 講師はおなじみの藏重先生。素敵なひとときを求めようと、今回はなんと29名もの参加者が集まりました。
 今回課題の「生花新風体」は、住空間をはじめとするさまざまな時代の変化を取り入れて、約30年前に池坊専永宗匠が考案されたスタイルです。昔は花といえば床の間に飾るものでしたが、現在は玄関が主流です。用いる花材も、多量に安価で利用できる外来種が中心となり、日本人の美意識も変化を遂げました。時代を反映したこの生け方は、私たち花商にとっても業務の生け込みの中で活かすことのできる、大変実用的なスタイルです。
 具体的には主材となる「主」、それに対応する「用」、これらを補い季節や動き、コントラストを表現する「あしらい」の3種を用い、それらの花材と出会ったときに感じた「生けたい!」という感激を水際も鮮やかに、ひとつの器の中に表現します。それぞれの花材の特性を最大限に生かすことが大切なので、最も重要視されるのは生ける側のセンスです。
 「形式美」に四苦八苦した前回の正風体とは全く異なる自由を楽しみながら、参加者たちは次々と生け込みを終え、ワクワクしながら先生の指導を受けました。

  池坊では、花器を大地とみなし、いのちが出ずるところである「水際」の美しさを大変重要視します。我々花商が生けるいけばなに、水際の意識が加われば、さらにステキな仕上がりが期待できるそうです。また、美しさを知るにはまず、美しいといわれているものに触れ、判断する目を養うこと。そして次に面倒でも実際に手を動かして真似をすることが大切です。例えば、おいしい料理を作るには、おいしさがわかる味覚だけではなくレシピというものが必要です。そのためには素直に方法を問い、学び、まねる姿勢が大切です。
 前回の正風体編に引き続き、参加した下京支部の花彦・永田さん。「何をやってもいいのはかえって難しいね。でも楽しかった!」とにっこり。毎日、生活の糧を得るための生業としてお花をあつかう私たちですが、仕事を離れて生ける花にはまた格別の楽しさがあり、自分の花に対する思いを改めて知ることができるのです。
 おかげさまで大好評のいけばな講習会、実はさらなる続編を計画中とのこと。次回、ぜひぜひみなさまお揃いでおこしください。