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 すでにご使用の方も多いと思いますが、切り花鮮度保持剤「美-ターナル」の開発・販売者である(株)フロリスト・コロナの代表取締役社長、高橋正行氏を迎え、ズバリ「利益を得る方法」としての鮮度保持について約2時間にわたる講演を頂きました。
 せっかく仕入れたお花がすぐにしおれてしまい、 売り物にならなかった。或いはお客さまから返品や交換のクレームがあった…という経験は花屋なら誰しもお持ちでしょう。
  ところが!切り花・鉢物を問わず、長期間にわたって老化を遅らせ、鮮度を保ち、枯らさずに美しい状態で販売できる方法があるのです。「花が枯れなければ、花屋は絶対儲かる!」と断言
する、高橋さんのノウハウをご紹介しましょう。
 低温輸送がメジャーになりつつある今日このごろですが、実は産地を出発して市場に到着するまでの間の商品の管理事情についてはまだまだバラつきがあるのです。例えば、せっかくの低温輸送の設備でも、荷解きした商品につく露結水を花屋サイドがいやがるために、常温輸送されていることもあります。
 また、低温管理するにも季節ごとの注意が必要で、冬に2度まで落としても花卉を傷めることはありませんが、夏に同じようなことをすると凍傷を起こしてしまいます。
 以上のことは産地サイドに理解を求め、適切な冷蔵輸送を徹底してもらえば解決することですが、実現にはまだ時間がかかりそうです。では、花屋サイドで改善できる点はないのでしょうか。
 すべての花は自己発熱します。りんどうなどは40度近くにまで上昇します。初歩的な知識として、必ず風通しのよい状態で保管します。新聞紙は蒸れるのでできるだけ使いたくないのですが、やむを得ずの場合はフワフワにくるむこと。 
 また、花は切ったとたんに自分の糖質を消費して生きのびようとします。温度が高くなるにつれ、糖質の消費量が増えるので、低温で管理します。そして、充分に水分を与えること。10%の水分が減ると、あとでいくら水揚げをしても回復しません。
 ほかにも水揚げが悪くなる原因には、水自体の腐敗や、導管内での雑菌の繁殖による目詰まり等があり、これらを防ぐにはバケットをきちんと殺菌し、清潔に保つ必要があります。
 芽生えからさまざまな表情をみせてくれる植物自体を老化させる第一の原因物質がエチレンガスです。
 受粉によって植物自身が生成する内因性のものと、大気中に存在する外因性のものに大別されますが、いずれも植物に極めて悪影響を及ぼす植物老化ホルモンです。内因性のものは受粉後すぐ
に発生するため、生産者側で受粉前に採花してもらう必要があります。突然、コチョウランが花を落とすことがありますが、コチョウランに限らず突然の枯れの多くの原因は受粉によるものです。このガスは受粉後できる実からも発生するので、実つきの枝ものはそうでないものと離して管理しましょう。仕入れをする際、同じ種類の花ならめしべとおしべが離れていて受粉しにくい種類を選ぶのも一つの方法です。
 これに対し、外因性エチレンは老化した花から発生します。枯れた花がらはすぐに除去し、植物性のゴミはなるべく商品とは離れた所にまとめましょう。そのほか、このガスはタバコの煙や排
気ガス、ボイラーの排煙にも含まれますので、店内での喫煙はできる限り控えましょう。エチレンの害から植物を守るには、オゾンガスを封入し、殺菌作用を保つ必要があります。
 冒頭で触れた、「美-ターナル」とはこれまで述べてきた糖質・水質管理を容易にし、高い殺菌効果を保ち、長く品質を保つために高橋さんが開発された商品です。会場では数種類の試供品が配られ、参加したみなさんも大喜びでした。
 「この薬を使いこなせれば、スーパーに勝てるんだよ」と高橋さんはおっしゃいます。花屋が生き残るためには商品をたやすく枯らさないことだ、とも。「こんなに簡単に手の内は見せないんだけど、組合さんのお願いだから、みなさんのメリットとして
お話します」という、うれしいお言葉もちょうだいしました。
 ご紹介くださった薬品の中でもエチレンガス対応の「美-ターナル STS」をうまく使いこなせば、11月に仕入れた南天でさえ、美しい赤い実もそのままに5月まで持つというのだから驚きです。「美-ターナル」シリーズは薬害もないため安心して使うことができます。枯れない花は、いつでも利益を生み出します。これで安価な時期に千鉢、一万鉢と大量に仕入れ、長期保存し、ニーズが生じたときに一気に販売することも可能です。
 この薬品シリーズは、組合斡旋価格でみなさんに提供する予定です。使い方を身に付け、発想を大きく転換し、ノウハウを知らない他店と大きな差をつけましょう。