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 京花協の定例行事となった檜扇の講習会。今では10年以上も続く、息の長い事業の一つとなりました。

講師の松本先生より今年も素敵なテキストが配布され、実際の活け花のみならず暦のお話から「ひおうぎ」の名の由来に至るまで、
幅広く学べる内容です。

8月に七夕の行事をごらんになって、疑問に思われた経験はありませんか?実は旧暦の7月7日は新暦の8月9日に相当するのです。明治5年の12月3日が明治6年の1月1日として制定されました。これが旧暦(太陰太陽暦)から新暦(太陽暦)への改暦です。旧暦では6月7日に神幸祭(先祭)が、同じく14日に還幸祭(後祭)が行われていましたが、改暦にともないそれぞれ7月17、24日の行事となりました。昭和41年に先祭と後祭が統合され、17日が巡行になり、平成26年大船鉾の復活にともない後祭も行われるようになりました。

魔除けを目的とした祇園祭とひおうぎが結びついたのは江戸時代後半から明治以降のことと考えられています。同じく、魔除けの祭である大阪の天神祭でもこのお生花を飾る地域があるそうです。

もともと中国由来で射干(やかん)と呼ばれ、赤く咲いた花から真っ黒な烏玉(ヌバタマ)を実らせる様子が陰陽に通ずるところから信仰の対象となり、人気を集めるようになりました。カラスのように黒い実がなり、扇のように葉を広げることから烏扇(からすおうぎ)と呼ばれるとうになり、その後、花の色を重視した場合に緋扇、貴族が手にする檜の扇の形に似ていることから檜扇と、音は同じでも二通りの漢字が用いられます。

生花の実践では以前とは比べようがないほど、次々に生けあがりました。五行格の枝の見極めも早くなり、大切な「体」もほぼ迷わず決まります。

バランスを考え、美しく、品良い活け上がりを目指して奮闘していると、すぐに先生がアドバイスを下さり、よりよい姿に導いて下さいます。最後にまわりを葉で囲めば完成です。これは水面から生えている、植物としての檜扇本来の姿を表しています。

まもなく祇園祭も本番です。魔除けの活け花を店頭に飾り、福を呼び込むいい1年を迎えましょう。