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謹んで新年の御祝詞を申し上げます。

旧年中は組合の事業と運営にご協力を賜り、心より感謝申し上げます。

 

 一昨年暮れに中国で新型感染症が発生したとのニュースを知ったときは、まさかこれほどまで多方面にわたる影響が生じるとは思っておりませんでした。当初、すぐに解消するのではと思った甘い期待は感染者数の上昇とともに儚く打ち砕かれ、われわれ花屋の出番と待ち構えていた春の卒業式や入学式など、需要の機会を悉く奪って行きました。

当組合も一月にゼスト御池河原町広場での「花と野菜のアレンジ実演」デモを皮切りに、さまざまな行事を予定しておりました。幸い、このデモは大変好評を得て無事に終えることができましたが、以降のイベントや競技会については延期や中止を余儀なくされることとなりました。フローリスト育成のための訓練校はもとより、我々京花協にとって最も大切な行事である花供養や総会も通常通りの開催は叶わず、懇親会で皆様の元気なお顔を拝することもできず、何とも淋しいことでした。

しかし、花需要の最前線にいる我々小売商が手をこまねいているばかりでは流通だけでなく、ひいては生産農家にまでダメージが及び、花産業自体が立ち行かなくなります。花農家が生産を諦めてしまえば、二度と手にすることができない品種も出てくるかもしれません。

そのため当組合では京都府・京都市の行政の力をお借りし、花需要の確保や喚起に取り組むことに致しました。4月には国が推奨する「花いっぱいプロジェクト」により「こんな時だからおうちに花を」のポスターを作り、加盟店の店頭に掲示してもらいました。この取組はメディアの注目を呼び、新聞やテレビ等で大きく取り扱われることとなりました。また、7月には京都の花利活用推進事業の一つとして市内の127もの幼稚園や保育所に完成見本付きで各30セットのアレンジキットをお届けし、園で花育を行ってもらうことで保育士と園児、そして保護者の皆さんに花を身近に感じて頂くきっかけ作りを行いました。幼少時より花に親しんでもらう花育活動を当組合では重視しており、8月にはイオンモール京都において日花協全国大会予選は中止となった一方で花農家を招いてのキッズコンテストが開催できましたことは大きな喜びの一つです。  

秋には京都市が「花を活かした賑わい創出事業」を提唱し、当組合加盟店はもちろん、予想を遥かに上回る多数の事業者からの申請があり、当初予算の8500万円に対し倍以上の1億9千万円が交付され、花業界はもちろん宿泊や飲食業界にも支援の手が拡げられました。

紅葉も深まる11月には京都府下82校の小学校に向けて組合ならではの支部の機動力を活かし、プランター植の花苗をお届けしました。暖かい春になれば綺麗な花を咲かせ、児童たちをはじめとする多くの人の目と心を楽しませてくれることと思います。  

まだまだコロナの収束時期は見えて参りませんが、有益なワクチンの開発などに希望の光を見いだせるようにもなりました。いつか必ず当組合も従来の、いや従来以上の活動を開始できる日が来ることを固く信じております。今以上に各加盟店さま、関係事業者の皆様、そして行政の皆様と手をとりあい、少しでもお役に立てる組合活動に繋げて参りたいと思います。  

本年も皆様方のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。